MAKAN-魔鑑

貴女という名の魔術鑑定

踊るハムスター

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約2分
踊るハムスター

ゴールデンハムスターのオスは、同種のメスからのフェロモンが検知できてはじめて、交尾をする。 交尾がはじまるまでには、一連の化学的な相互作用を経なけばならない。最初に発情したメスが、交尾の用意があると知らせるフェロモンを発する。 これに反応したオスは、挨拶がわりにメスの頭部にある体臭腺を嗅ぐ。するとメスは興奮をつのらせ、オスを受け入れる意向を示す姿勢をとる。

メスの「イエス」の返事を受け取ったオスは、わき腹をなめはじめる。側腹部にある体臭腺を探しているのだ。 そこから後方に移動し、さらに嗅いだりなめたりが続く。マウンティングを促す特殊なフェロモンを検知すると、そこではじめてオスはメスに乗る。

フェロモンがどこでどのように生成され放出されるかは、個々の生物によって大きく異なっている。 たとえば、いわゆる単細胞のアメーバ―、細胞性粘菌は、アクラシンというフェロモンを生成して同種の別個体を惹きつける。 メスのハムスターが生成し放出する強力なフェロモン、アフロディシンは、オスの性的関心および性行動をかきたてる。 イヌ、ウマ、シカ、ラクダ、その他数多くもまた、その尿に高濃度のフェロモンをもっている。イヌ科のフェロモンは強烈で、 発情期のメスイヌのそれは、数キロメートルも離れたところからオスを誘い出すことができる。ブタは唾液にフェロモンをたっぷりと含む。

生殖器や肛門付近にある特殊な腺や、体表にある皮脂腺でフェロモンを生成する動物もいる。 有史以来、ジャコウジカ、ジャコウネコ、ビーバー、マスクラットがこれらの腺から分泌する芳香性の物質は、香料として求められ用いられてきた。
掲載情報は、すべて、出版社に許可を得ています。 「草思社」様、ご協力に感謝いたします!

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