MAKAN-魔鑑

貴女という名の魔術鑑定

Serpent

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約3分
月経の普遍的原型-「蛇」


脱皮を繰り返して再生し、滑るように地を這い回る蛇は、変化を生じさせるエネルギー、そして、大地のエネルギーのシンボルの一つとされている。それゆえに、私たちは蛇の姿に恐怖感を抱き、インスピレーションを得る。

イヴをそそのかして善悪の知の木の実を食べさせたのは蛇であった。神はこれに怒り、イブを誘惑した蛇を追放し、一生腹で地を這う存在に変えられた。旧約聖書の創世記でも、蛇と女との関係に変化が生じた。『わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。』(創世記第3章15節)私たちが蛇を見て強い嫌悪感を抱くようになったのは、エデンの園の物語の「蛇」=「悪魔の使者」という悪いイメージからきている。

対照的に、大地崇拝に基づく文化の多くにおいては、蛇は神聖な生き物とされていた。定期的に脱皮を繰り返し再生する蛇は、人類の循環サイクル、すなわち、「生 - 死 - 再生」の象徴であると考えられていたのである。幼児期から思春期への移行、生殖期から更年期への移行、あるいは、愛する者の死に対する悲しみからの開放など、私たちが生きている間に経験する「小さな死」を描くときに登場するシンボルは蛇である。古い皮を脱いで体を純化しながら生きる蛇は、「変化」や「変容」をもたらす浄化力の普遍的象徴であり、「永遠の命」のシンボルでもある。

ゆえに、蛇は、変化自在の「生の炎」を積極的に体験し、人によって開かれた道をのうのうと歩むのではなく、自らの人生経験によって生まれ変わることを快く受け入れることによって獲得できる「個人の力」の象徴でもある。家長制度的文化社会においては、身分の高い支配層だけが「個人の力」を持つことが許され、下層階級が「個人の力」を持つことはタブーとされている。

女性中心の社会では、蛇は人間の友達、協力者であり、そして、女神及びその祭司や女司祭に仕える動物とされていた。古代エジプトにおいては、蛇のヒエログリフ(象形文字)は女神の象徴とされていた。女司祭達は蛇の毒でトランス状態を引き起こし、蛇とともに生活する者も珍しくなかったし、蛇達はたいていいつもとぐろを巻いておとなしくしていたという。

女と蛇は定期的に再生するという性質を共有する。蛇は自らの皮を脱ぎ捨てて再生し、女は月経を迎えると、古くなった子宮の層を剥がす。女は、この世に生を受けなかった命の死、すなわち月経によって、新しい女に生まれ変わるのである。「再生」の普遍的象徴である蛇は、月経の神秘を探る重要な手がかりとなる。私たち女性が月に一度古い子宮の層を剥がすことは、私たち女性の「再生」、「健康」、そして「個人の力」を得る一つの秘訣なのである。女性は誰しも、月に一度、肉体的・精神的に生まれ変わり、新たな活力を得るチャンスを与えられているのだ。

Honoring Menstruation ©Lara Owen
本の写真及び内容の著作権はLara Owen さんが保有しています。
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