MAKAN-魔鑑

貴女という名の魔術鑑定

Earth

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月経の普遍的原型-「大地」


「大地」の象徴主義が集団に及ぼす影響を探れば、女性と月経がどのように認識されているのかがよく分かる。大半の文化において、「大地」は女性に関連するものと考えられ、古代及び女性中心の文化において、それは「女性」の象徴であると同時に「神聖」なるものとされた。大地を「母なる宇宙」の創造物と考える文化もあった。

母なる大地は、栄養、安全な場所、そして衣類の源であると認識された。多くの文化において、大地は、肉体的ないたわりだけにとどまらず、道徳と霊的指針を授ける神を意味するという点で一致している。誓いを立てるとき聖書に手を置くのが常だが、ロシアの農民は、自分の頭の上に一握りの土を置いて宣いを立てる。これは、宣誓を破ると母なる大地の天罰が下ることを意味する。

ネイティブ・アメリカンの「理想像の追求」においては、自然界は神からの特別なメッセージの源であるとする思想に基づいた行動様式がある。この自然崇拝では、「大地」や「風」を通して、部族主神とも呼ばれる「神」を体験する。この部族の伝説で崇められる「天の巨人」よりも、むしろ、動物や鳥の行動を通して、彼らは神のメッセージを読み取ったのである。

文明が進み、私たちが自然から遠ざかるにつれて、女性の月経が重要視されなくなったのと同様に、大地も「神聖なる母」としての地位を失ってしまった。私たちは、足の下にある大地との本能的なつながりを失い、その結果、今、私たちは貧困や不足という恐怖感に覆われている。この過剰な不安から逃れようと、私たちは究極の物質的富を得ようとがむしゃらになっているが、これは、物質的な栄養と人類の幸福の源である「大地」とのつながりを、人類が自ら断ち切ってしまったことに起因するのかも知れない。



母の「元型」、そして、人類の「生地」の象徴でもある「大地」は、皮肉にも、地球の幸福を脅かす現代の科学技術によって、人工的な変化を加えられ、かつての静寂さを失いつつある。宇宙で撮影された写真は、私たちに地球への畏敬の念をよみがえらせた。そして、多くの宇宙飛行士らも、遥か彼方から眺めた地球の美しさを語っている。私たちの地球を守り、私たちの生息する地球に対する敬意を心の奥深くに蘇らせるためには、私たちは視覚的にそして直観的にも、物事を全体的に見通すべきである。

しかし、私たちは、自分たちの生存がかかっている地球のエネルギーを、敢えて危険にさらさないとこの事に気付かないようである。宇宙で撮影された地球の写真こそが、この地球のエネルギーである。そして、この地球のエネルギーは、母なる「大地」、そして、人類の「生地」という地球の普遍的イメージを、今再び私たちの心に呼び覚まそうとしている。

先ほども書いたが、古代ギリシャの女達はもちろん、他の多くの文化においても、土壌を肥沃にするために経血を用いたし、女たちは種を通して畑に経血を入れることで、大地との間に極めて強いつながりを築いていたに違いない。女として生まれてきた私たちは、この大地の性質を強く受け継いでいる。大地も女性も、栄養を与え、そして、新しい命を授けるという点で共通している。 私たちの心の中にも拠り所があるように、大地は私たちの生地であり、そして、いつか帰るところである。私たち女性の体の中には、新しい生命を創り出す子宮がある。子宮が血を流すと、大地と女性のつながりがより活性化される。一つ一つの細胞に変化が起こるのはもちろん、科学では説明できない変化さえ生じうるのだ。私たち女性は、女体と大地が密接に類似しており、女体からの血を大地に返すことで、大地とのつながりが深まることを本能的に知っているのだ。

女が経血を大地に注ぐとき、それが個人的に行われたとしても、儀式として行われたにせよ、計り知れないほどの集合的な正のパワーが解き放たれる。このエネルギーで、地球の失われたバランスを取り戻し、癒すことさえ可能である。女が子宮の血を大地に注ぐことで、その血は「月」の持つ生殖への影響力と、新しい生命を受け入れる「大地」の繁殖エネルギーの間で「パイプ」の役割を果たす。よって、私たち女性は、月の影響を受けながら大地を育む月経を通して、「大地」と「月」この二つの遠く離れた天体を一つに結ぶ存在なのである。

Honoring Menstruation ©Lara Owen
本の写真及び内容の著作権はLara Owen さんが保有しています。
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